おはようございます。今日は「スタジオアタオの現状株価の妥当性」について。
当たり前のことなんですが、株の値段が付くということは双方に買いたい人と売りたい人がいることによって成り立っているわけです。
スタジオアタオの株を450円で売りたい人と買いたい人が均衡しているからこそ株価が決まっているわけですね。
ここには需給、ファンダ要素、チャート要素、市況など様々な要素が複雑に絡み合って株価が決まるわけですが、私が思うには企業が成長していかない限りは基本的には短期目線のゼロサムゲームになってしまっているということです。
ゼロサムゲームは機関投資家などの猛者が集う恐ろしい戦場であり私のような弱小個人が入り込めば途端に殺られてしまいます。
では、どのように考えれば勝てるのか(損をしないのか)。
株式をプラスサムゲームと考えることだと思います。
それはどういうことなのか。
アタオを例に取れば、現状は来期の純利益0、売上は過去最高予想ですが、私のように純利益(PER)を基準とする人間から見れば、現状は割高です。それでも450円の値が付くということは、悪いものはある程度織り込まれていると考えることができます。
ファンダ前提(純利益0)が変わらなければ現状は450円が妥当(と市場が判断している)。ここでこのファンダ前提を元に短期でガチャガチャすることは機関投資家などの猛者と闘うことに他なりません。
これがイルメールが仮にヒットしアフターコロナが現実化して財布やバッグ等の売上が戻って純利益が10億円になったらどうでしょうか?
PERは6.2倍と超割安成長企業となり、途端に市場から注目を浴びるでしょう。そうなった時に、このPER6.2倍には成長期待が更に織り込まれ水準訂正が起こる可能性があります。例えば、そのファンダ前提でPER12.4が許容されれば株価は900円、PER18.6が許容されれば株価は1350円、PER24.8が許容されれば株価は1800円となります。
こういうシナリオが現実化してきた場合には、完全なプラスサムゲームとなり、現在450円で買っている株の買い手は全員が全員勝者となります。(多くの機関投資家は年度決算なのでこういう長期投資はできません。機関投資家と闘わない方法がこれです。)
さらにアタオが成長して売上100億、純利益20億が見えてきたらどうでしょう?現在の株価水準のPERは3.1倍ということになります。あとの理屈は前述のものと同じです。
無論、この考え方は未来の不確かな業績を予想するものであり、ベンジャミングレアムに言わせればそれは好ましくないということになります。
「現状の450円の株価の妥当性」ということで考えるとそこで登場してくるのはPBRです。PBRは株価の下支えです。PBRは約2.11倍(株価450円の場合)となっており、これは解散価値の倍以上ということになっております。
仮にPBR0.67を下値の下限と考えた時に株価は143円(概算)という計算になりますが、PBRは基本的には成長期待が高いほど割高になるため、ここまで売り込まれることがもしあるとするならばマザーズと日経平均が壊滅的崩壊をした上にアタオが赤字に転落してイルメールの拡大路線が頓挫した時位だと思います。
可能性としては限りなく低いですが、絶対的安全域という意味ではこの143円(概算)≒150円という数字が一つの目安になるのかもしれません。
ざっくりと450円からマザーズが大崩壊すれば株価は半分の225円、アタオの更なる成長鈍化の最悪のシナリオでさらに0.67掛けの150円のイメージではないでしょうか。(完全に私見なので悪しからず)
上記は最悪のシナリオを想定した場合であり、最悪の想定で株価は3分の1のドローダウン、上を見た時には青天井、ということで私はアタオの期待値は高いと見ています。
また、純資産29.34億円(21年2月期)に対しての時価総額62億円(株価450円と考えた時)なのでもしもアタオの純利益が大幅に改善した場合のPBR改善率は見逃せないものになると思っています。
(例)純利益5億円のPBR改善率(4億円が純資産に割り当てられると仮定)
純利益5億円、純資産33.34億 → PBR1.85倍
純利益5億円×2年、純資産37.34億 → PBR1.66倍
純利益5億円×3年、純資産41.34億 → PBR1.49倍
(例)純利益10億円のPBR改善率(9億円が純資産に割り当てられると仮定)
純利益9億円、純資産38.34億 → PBR1.61倍
純利益9億円×2年、純資産47.34億 → PBR1.30倍
純利益9億円×3年、純資産56.34億 → PBR1.10倍
企業経営は当然ずっと続きますので、一旦また純利益が生み出される体制になれば、この現状のPBRはとてつもなく割安になるという分析になります(発行株式数13857000株×株価450円≒時価総額62億円で計算)。
アタオは元々コロナ以前は売上40億円、営業利益8億、純利益5億を生み出す力のある企業でした。株価の下限を考える上で、時価総額が小さいことというのは決して見逃せない部分だと思います。なぜなら、PBRというのは純資産/時価総額の式で算出される式であるために、分母の時価総額が小さければ小さいほど、純資産の増加によって改善されるPBRの数値が劇的になるためです。
そういう意味では私が前述した150円という下限株価については前提であるPBR2.11という数字は実際の見た目よりも安全域が大きいということになります。
私が経験則から感じる下限株価としては、現状イルメールのインスタグラム登録者数も2.6万人を突破して順調に増え続けている現状からも、上記のような見えない安全域の部分からも、200円を割ることはそうそう考えづらいという結論になりました。
といいますか、イルメールの成長が見えているうちは今の450円の株価であっても相当に割安である可能性が高いという結論に至っています。
復習します。
株価450円 純利益 5億→PER12.4倍 純資産 4億増加→PBR1.85倍
純利益10億→PER 6.2倍 純資産 9億増加→PBR1.61倍
純利益15億→PER 4.1倍 純資産14億増加→PBR1.43倍
純利益20億→PER 3.1倍 純資産19億増加→PBR1.28倍
です。現実には今後1年では純利益5億でも厳しいでしょうが・・コロナワクチンの接種率が高まり集団免疫を獲得してまたマスクを付けなくてよい世界が来たら・・と想像してください。
その時は純利益5億+(イルメール分利益-販管費)の企業となっているのは自明です。
私からのお願いですが、スタジオアタオの株価を考える時は必ず「PBR改善率」も頭に入れてください。
どうですか?今のスタジオアタオの450円という株価、皆さんはどう感じられるでしょうか。
私はベンジャミングレアムの量的ファンダメンタルアプローチで株価を絶対的に見る術を教わりました。絶対的に見るとは、上記のように分析することだと解釈しております。
つらつらと駄文を連ねましたが、以上が私の現状のスタジオアタオの株価に対する分析となります。参考になれば、できれば同じくスタジオアタオの長期ホルダーとなってくれる人が増えればこれ幸いです。
なお、最後に、ベンジャミングレアムに言わせれば、「未来を予測するべきではない」。
イルメール事業に万が一失敗した場合、ドローダウン率は56%を御覚悟願います。
私はスタジオアタオの未来を信じる者です。
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- 2021/05/23(日) 11:39:35|
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こんばんは。今日は「なぜインデックス投資ではなく個別株投資なのか」について書きたいと思います。
最近の風潮では、少し詳しい人であれば、バンガード等のS&P500連動ETFなどを投資対象として検討することがあると思います。
上記のようなインデックス指数への投資を行えば少なくとも3~5%程度の平均利回り(あるいはそれ以上)を望めるだろうという論調も見てとれます。
では、なぜ比較的低リスクである程度の利回りを見込める商品があるのに敢えて個別株へ投資をする必要があるのでしょう。
私の場合は、まず米国(海外)への投資は分からないからしたくないというのが一つあります。そもそも英語がそこまで得意ではありませんし、分析にも限界があります。これは私のキャパシティの問題です。また、今のように注目を浴びていることがなければS&P500にあるいは何も考えずに投資したのかもしれませんが、今がそのタイミングであるとは思えないため、敬遠しています。
では、日本のインデックスに投資をしないのか、と言われると、それは日経225であれ日経400であれ投資したくない対象の企業が少なからず含まれているわけで、日本のインデックスに投資する位なら自分で投資信託作ってやるわという気持ちです。
自分の銘柄の選球眼がそんなに自信があるのかと問われると、それは分かりません。ただ、自分の人生において、自分の目で分析した会社を、自分の責任において投資をする。そういうことを私はやっているだけです。
ある程度ロットを持った上でのテンバガーの夢を追いたい気持ちもあります(スタジオアタオ)。キャピタルゲインを狙いつつ、ドローダウンのリスクも負いながら、利回り4%程度を見込めているのならそれは自分のPFとしては十分なのかなと思っています。
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- 2021/05/16(日) 21:22:07|
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こんにちは。今日は「ROE」について考えてみたいと思います。
ROE(自己資本利益率)=純利益/自己資本×100
※自己資本=(純資産-新株予約権-少数株主持分)
となっております。
株主の資本を使っていかに効率よく純利益を生み出せているかの指標になります。
例としてスタジオアタオを出しますが、このROEがコロナ禍以前においては24.9%もありました。これは日本の上場企業の平均値が8~10%である中で驚異的に近い数字となっておりました。
しかし、次年度は純利益0を予定しているため、ROEは0%となります。これは株主資本を有効に使用できていないと糾弾されても仕方ない数字になります。
私は基本的には将来の予測値としてのROEは信用していないため、実績値(できれば過去数年の実績値)が望ましいと考えておりますが、スタジオアタオのような過渡期にあたる企業にとっては、悪いほうの予測値について十分に考慮しなければならないと思います。
この事例については、なぜROEがここまで極端に下がってしまったのか、を分析することにより、その企業の現在の立ち位置が見えてくるのではないかと思います。
企業のゴーイングコンサーンを考えた時に、通常、利益を出し続けなければ企業は存続しないものと考えられます。ROEを重視することは純利益をしっかりとチェックするということなので、ある意味当たり前であると思いますが、ROEを深堀する上では、やはり事業の中身の精査に踏み込んで、どういう状況でどのようにこの純利益が生み出されたのか、を分析する必要があるように思います。
そういう意味では、前述のスタジオアタオのような会社は非常に分析がしやすい会社であり、例えばオリックスのような複雑なコングロマリットでは私にはどのようにしてその純利益に至るのかが正直分かりません。
投資をする上では、ROEが何%と上っ面の数字を見ることは簡単ですが、実際、どのような経緯でその純利益が生み出されたのか、その辺りが重要であるように思います。
またよく分からない概論のようなことを書いてみましたが、こういう文章を書くのが好きだったりします。また時間があれば詳しい実際の思考過程、分析も載せることができれば面白いのかなと思ったりしました。
なお、このようなファンダメンタル分析は非常に知的好奇心を満たしてくれる一方で、株式投資のパフォーマンスとの関連性については疑問符が付きます。
どちらかというとキャピタルゲインを得るというよりは、損失を限定するための下限を自分で見定めるために使うイメージを私はしております。
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- 2021/05/15(土) 11:30:19|
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こんばんは。
今日は気まぐれに「PBR」について考えてみたいと思います。
まず、なぜPBR20倍というような会社が価値の水準として許容されるのか、について。
PBR20倍ということは純資産が100億の会社に時価総額2000億の値付けがされているということを意味しています。
帳簿上、解散したら100億の価値しかない会社になぜ2000億の価値が付くと思いますか?
それは未来において業績が伸びると信じられており、多くの人が2000億の価値がある(さらに未来にはそれ以上に伸びる)と信じられているからなんですね。
グレアムのバリュー投資というのは上記の例で言うと、時価総額50億とか、簿価を大幅に割って安全域が大きい企業に投資しようということでした。こういう企業は事業が赤字であるか、もしくは冴えないことが多いです。だから時価総額は簿価を割っているんですね。
私の場合、成長とのバランスを考えて、上記例で言うと時価総額200~300億のものを買うことが多いです。なぜか僕が買う企業はPBR2倍台が多いということですね。
例えば時価総額250億の企業の株を買った場合、成長期待が完全に剥落するとグレアム式の安全域3分の2で考えると最大で250-67=183億の減価が想定されるわけです。(単純に話をするために不動産の含み益とかそういうものは考慮していません。)
ただ、PBRが高いほどキラキラしたグロース株が多いことは事実であり、PBR10倍位の銘柄を見ても事業内容や過去の実績はホレボレするような企業も少なくありません。
しかし、どうしても私にはPBR3倍を超える企業は買うことはできず、PBR2倍台でさえ、よっぽど良い所が見つかった企業でないと主力にすることはありません。私の損失の許容量がそのあたりであるということです。
ちなみに私の主力、スタジオアタオのPBRは2.12、GMOFHのPBRは2.58です。
最近は仮想通貨に見られるように、「簿価」で考えるのが古いという風潮もあります。価値と価格の乖離がどんどん進んでいるような・・。
しかし、そういう現状を踏まえても、最低限PBRをチェックしてしまう自分がいます。私の投資手法はグレアム式ではありませんが、考え方はグレアム式に固執してるんですね。
自分の考えは間違っていることもしばしばあるだけに、全く逆の、仮想通貨も利確せずに保有し続けることにしています。
なお、米国株も主流と言えるような立ち位置になってきていますが、私は自分が英語にそこまで自信がないこと(企業の分析ができない)等の理由から今のところ投資をする予定はありません。
つらつらと適当に書き殴りましたが、今日はこのあたりで・・。
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- 2021/05/12(水) 22:49:46|
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おはようございます。今日はスタジオアタオの営業CF赤字について思っていることを簡単に書いてみたいと思います。
営業CFは簡単に言うと「本業の儲けから生まれた自由に使える現預金」と言えると思うのですが(簡単に言いすぎて語弊があったらすみません)、私は営業CFが赤字の会社が嫌いです。なぜなら、営業CFが赤字ということは本業で儲かっていないことを表していることが多いからです。
スタジオアタオについて、元々は営業利益率が素晴らしくこの営業CFが会社規模に比べて大幅に黒字であったことから、何と経営の上手い会社なのだろうと関心を持ったことがスタジオアタオを投資対象とする始まりでした。
ところが、20年2月期決算では744百万円の黒字であった営業CFは、先日の21年2月期本決算では▲181百万円の赤字に落ち込みました。これはコロナ禍において売上が落ちたことと、イルメールの販促費が重しとなってこの数字になっているのですが、現状は現金同等物が潤沢にあるとはいえ、本業で資金ショートしている分を銀行からの借り入れで賄っている構図となっていると思われます。
販管費については、20年2月期には6.2億円だったものが21年2月期に10.9億となっており実に4.7億も増えています。
この4.7億というのはコロナが収まった場合にスタジオアタオに期待できる純利益額とほぼ同等であり(成長を考慮に入れない場合)、個人的見解では、何がなんでもイルメール事業を軌道に乗せるぞという社長の社運を賭けた意気込みが感じられます。
私はスタジオアタオの社風なども調べた上で、その保守的な経営姿勢を知っているからこそこの起業の未来を信じて投資を続けているわけですが、これは無形資産なわけです。
厳しいことを述べると、素人ながら財務的に(グレアム的定量ファンダメンタル分析的に)見た場合には元々「営業利益率20%以上を誇る超盤石小型優良起業」から、「未来がどうなるかも分からない事業に営業CF赤字を垂れ流して、その資金ショート分を銀行からの借り入れで賄っている起業」にスタジオアタオは成り下がってしまったと言えないこともないと思います。
市場はその辺を見透かして今の株価になっているように感じます。コロナ禍であってもイルメールが本当に成長軌道に乗れば株価は必ず右肩上がりになります。
もちろん、私はスタジオアタオがダメになったとは思っておりません。現実にイルメールも伸びてきていますし、この類の商品はいつどういうきっかけで爆発するか分からないので「神戸から世界へ」を信じてずっと持ち続けるのみなのですが、スタジオアタオに関して営業CFが赤字になっていることについて言及しているホルダーさんがあまりいないように感じたので敢えて厳しい意見をここに載せることにしました。
客観的に見て、現状は財布やバック等のCFだけではイルメールの販促分を賄えていないからです。
最後に補足だけしますと、現状生み出せるCFだけではイルメールを軌道に載せることは難しいと判断して、おそらくは残りの現預金同等物を鑑みて10億借り入れの上、従来コロナ以前の純利益相当分までは勝負を賭けようと、そういう判断だと思います。
良いことだけではなく、たまには悪いことも書いてみました。
上記は全て私見ですので、私の認識間違い等々ありましたら是非御指摘等をお願いいたします。
現状5300株、瀬尾社長、期待してます!!
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- 2021/05/09(日) 07:56:59|
- スタジオアタオ分析
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